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六国峠@ドクター円海山の音楽診療室-無用な営みの、えも言われぬ、この上なき喜び

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潜水艦轟沈す

潜水艦轟沈すという邦題にてしらるる、49度線という原題をもつ戦争映画の音楽を含む、
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CHAN10244 ヴォーン・ウィリアムズ:映画音楽集 - 2
VAUGHAN WILLIAMS: Film Music of Ralph Vaughan Williams, Vol. 2
ちょうど鎌倉スイス先生の取り上げている
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KORNGOLD: Sea Hawk (The) / Deception
と同時期の1940である。

 この次期は、前年の1939年は、1935年にヒトラーによるナチス政権を樹立した独逸が、機動部隊にてポーランドを圧制侵略、そして1940年にはフランスへ、そのマジノ要塞を無効にする電撃作戦にて侵攻、ついにイギリスは大西洋沿岸に追い詰められたフランス軍を救うべく、ダイナモ作戦を発令し、独逸と実質的交戦状態に入り、イギリスへの爆撃なども始まり、国内防衛として空中戦を繰り広げる「バトルオブブリテン」などもおきる時期であり、参戦はしていないゆえに娯楽を極めたアメリカと、社会世相と戦争への不安を反映したイギリス双方の映画の姿勢の違う内容が、その音楽からも聞いて取れる次第にて候。
音楽として端的ナるは、どちらも黎明的な音楽の模索が見られRVWの映画は題材が独逸の潜水艦の乗組員の、作戦行動中に潜水艦を失い、逃げる数奇な運命を軸に舞台は、ヨーロッパイギリスそして米国大陸カナダとつづくもので、交響曲に見られる、独自の響きやトラッド調旋律はおなじみで、さらに幅広い音楽を筋書きにあわせて書いている次第にて候。
これらのうちで最高なる珍妙はRVWの書いたインディアンの音楽なども短くも聴ける次第。
コルゴルドのほうは海賊冒険物である。
スペイン帝国をあらわす音楽が誰でも思い浮かべる、ビゼーのカルメンからの闘牛士の歌(Chanson du toreador)の節を借用しており非常にベタでもある次第。
by dr-enkaizan | 2007-06-11 01:46 | 劇伴奏
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