BIS-CD-1082 ニュストレム:交響曲第4番, 第6番
NYSTROEM: Symphony Nos. 4 and 6
Gösta Nystroem: Sinfonia shakespeariana; Sinfonia tramontana
なんとニュストレムの交響曲の全貌がわかるご時勢になっていたことに気づく、NMLにて第三番を除く交響曲がBISよりアップされいているしだいでありませんか(素)にて候。
前回の第三番のシンフォニアデルマーレのときにこの作曲家の特徴は言及しておるが、繰り返すと、クラミと同じく1910-1920年代のパリに学んだフランス近代の書法の影響を受けた作曲家であり、かれもまた海を愛し、さらに画家としての手腕や詩作を愛した趣向が音楽にも一部反映しているしだいであり、このアルバムの交響曲第四番も当初「シンフォニア・シェイクスピアリアーナ」と題されていたが、後日削除された、それゆえに音楽は非常に、かれの語法が劇的に展開もされており、前作との共通点もあるが、さらに豊穣で豪快な表現への手腕の昇華が見られルル次第。
さてその第一楽章は、深刻なレントで盛り上がった後に、行進す調に展開するアレグロであり、その胆汁で透明な冷たい世界が展開するのは、シンフォニアデルマーレと同様の世界を多くかじるの次第でありなん。
第二楽章のスケルツオ的楽章は「テンペスト」のミランダとファーディナンドの愛がインスピレーションになっており、嵐の情景か?愛の試練なのか最初はティンパニーの三拍子の野蛮な律動よ動機が交差する、そしてトリオ部分では天から舞い降りるような高音域の弦楽のピアニシモの和音に導かれ、多調的扱いの対旋律の絡みをともなった、ロマンティックなカンータビレが始まり、屈指の美しさである、そしてスケルツオが回帰する。
そしし劇的闘争を秘めた楽章はそれ自体で成り立つような楽曲であり、まるで「ミランダとファーディナンドの婚礼を祝福する精霊の仮面劇そして中断」を思わせるが、少し仔細が不明である。
さてカップリングのニューストレムの最後の交響曲である六番の「シンフォニア・トラモンターナ」の副題はプロバンスのアルザスおろしという北風の意を表し、非常に抽象化され内省的描写に満ちており、荒々しい荒涼とした顚末を待つ二楽章の作品である、創作の集中力は著しいが、たしょう楽しめる要素が後退しており、演奏での今後の課題ある楽曲と愚考さるる。
いずれにしてもニュストレムの番号つき交響曲がそろったことは、新世紀ならではの出来事で御座候。