2004年アテネオリンピックで聖火の伴奏音楽として「ファンファーレ」が流れ、一躍ブレイクしそうな音楽へ成り上がりそうな気配、よもやドビュッシーも、かつて晩年の貧困の時代に、自由劇場のアントワーヌからの依属による、ジェークスピアの同名の劇への付随音楽として、仕方なく受け、結局ファンファーレ-とリア王の眠りしか書かれなかった「「破棄」同然の作品が、このようなメジャーな場所で鳴り響くと思わなんだで御座候。
1926年に編曲はロジェ・デュカスがオーケストレーションを整え、初演
勇壮な旋法的ファンファーレと行進が金管と打楽器で展開され、アルカイックな荘厳な音楽である「ファンファーレ」とピアノ曲「スケッチブックより」と近親の響きを持つ弦楽に始まり、金管の物憂いが勇壮なモノローグ的奏楽の調べ、そして最後はまどろみの如し二度音程の特徴付けされた和音で渾沌の果てに向う「リア王の眠り」から構成される小品。
演奏は
ジャンマルティノン指揮フランス国立放送管弦楽団がスタンダードに他に
サイモンラトルのバーミンガムの録音あり。