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六国峠@ドクター円海山の音楽診療室-無用な営みの、えも言われぬ、この上なき喜び

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アニバーサリーの残り香 151年目のエルガー:スターライト・エキスプレス、他

 去年の150アニバーサリの残り香
当楽曲は以前ジャンドスのNMLネタにて言及澄みながら、対訳込みでデッカがエルガー作品をマッケラスなど中心に大盤振る舞いをしていることを言及しそびれた次第。

 そのなかで、三浦氏晩年の仕事?と考えられる当曲の音盤は国内盤の買う価値は高くあると断言せぜる得ない。

 近年のマニアの解説より改めて三浦氏の仕事は簡素ながら、落ち着いている次第。
それに準拠して当曲の概要は、エルガー58歳時に書かれた劇作品の付随音楽で、当作品はそれからの幾つかの管弦楽伴奏の歌曲の集成となり、その素材には別作品の「子供の魔法の杖」も素材を取り入れいるが、それは三浦氏のライナーを実際にごらんになることを推奨する次第にて候。
 なお当然カップリングには「子供の魔法の杖」の二つの組曲、さらに、小管弦楽のための「夢の子供たち」とエルガーの童心にスポットを当てている様相を呈している。

 その曲の概要は、原作を妖精文学というか一部で怪奇文学では著名なアルジャーノン・ブラックウッドの「妖精郷の囚われ人」(*)を基にし、別人が演劇に仕立てた「スターライト・エクスプレス」への音楽の依頼であり、その長大な演劇から九曲の歌曲を抜粋したものでありなん。

*日本で一度訳本が出版され三浦氏の書く表記よりそれを優先させている次第

 三浦氏のライナーを頼りに劇の粗筋は。「極めて幻想的(ママ)」で、ユラ山脈に移住した、生活に困窮しているギャムデン一家と、おなじ境遇のプールセル村があり、見かねた子供が、星屑を特殊な洞窟に集めた配る「星明りの協会」をつくり、各家に分配し、大人たちを救う、そしてイギリスからおじさんや妖精の協力の末、貧困の両者がクリスマスを越す事できるように救済する、妖精版人情物語なる様相。

登場人物の手回しオルガン弾き(Br)やその女房のラーファーそ長女のジェシー・アン(ともにsop)の持ち歌を歌い、歌詞は草花に風や昆虫の雲やそして星とこの国らしい自然主義に満ちていたり魔術についての話の妖精世界で牧歌的なオカルトに満ちている。

 音楽もエルガーらしい、ドイツ的な書法に立脚しながら、どことなく旋法的な旋律と和声も配合されたあたりに哀愁があり、標榜したRシュトラウス張りの色彩的管弦楽にて、最初の手回しオルガン弾きで歌われる「小さい鈴」の引用フレーズが、フィナーレで鐘を伴い感動的色彩をもって再現されるあたりは聞き物であり、また4曲目での夜風で妖精を目覚めさせる?アリアでは、ウィンドウーマシンが導入され効果的な面白を聞かせ、ラヴェルの子供と魔法の先駆すら感じ、非常にあきさせない。

さて後半にはオルガンも加わりキャロルソングの「最初のノエル」が出現するあたりは、妖精世界のケルトや北欧文化圏とキリスト教文化圏の折衷の軋轢もしくは陳腐さが感じなくもないが?今年のクリスマスに如何な一品にてござ候。
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エルガー:スターライト・エキスプレス、他
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by dr-enkaizan | 2008-10-14 00:38 | 解説のない音盤紹介
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