ブログトップ

六国峠@ドクター円海山の音楽診療室-無用な営みの、えも言われぬ、この上なき喜び

drenkaizan.exblog.jp

同業者の見解「テクストの呪縛」-三大バレー以外のストラヴィンスキー1982(2)

さて当エントリーに早速反応があり非常に有り難い次第にて候。
さて前述の1982年のレコ芸の特集の三大バレー以外のストラヴィンスキーの名曲今回は諸井誠氏の出番、因みに氏は同号でブルックナーの特集では、ブルックナーの交響曲第八番の紙面の続く限りの壮絶な分析も行っており、こちらでは幾分控えめな記事になったのが残念だが、この号の前後でストラヴィンスキーのペトルーシュカの版の問題を、その版ごとの編曲意図の本質から説明、非常に適切に行っており、譜面の記載方法から違う点など、耳に依存しない歴然たる違いを論じており、その論説の高さは昨今の聞こえでの指摘でわかった気になる、幼稚な説明で紙面を割くものなど及ばない次第にて候。
 そしてそれらを使い氏は、明白にストラヴィンスキーの使用している版は1947であり、表記ミスであることを指摘してもいる。

 またCBSソニーが企画した廉価二枚組みオブニマスLPセットでの「それがストラヴィンスキーだ!」での自作自演の幾つかの三大バレー以外のチョイスも氏によるもので後日それも言及したいが今回は1982レコでのそんな氏が選んだものを上げると・・・・・・。
兵士の物語全曲「ナレーション入り)
バレー「プルチネルラ」(声楽入り全曲)
バレー「結婚」
オラトリオ「エディプス王」
詩篇交響曲
三楽章の交響曲
オペラ「道楽者なりゆき」
バレー「アゴン」
エレニアの哀歌による「トレニ」
テレビのためのバレー「洪水」
ピアノとオーケストラのためカプリッチョ
メロドラマ「ベルセフォーヌ」
古いイギリスの歌詞によるカンターター
であり、氏曰く、
多くの純粋器楽の 曲がごっそり抜けおち、さらに詩篇を例外に1930年代の作品が抜けているのは、
自身のストラヴィンスキー感が強烈に表われた


と明言し、親切にその時点作品コメント付きで言及さえもしている次第であり。
それは
ブランデンブルグ協奏曲を捩った
ダンバートン・オークス(1938)



ネオバロック風のヴァイオリン協奏曲(1931)(*)


などであり、そのコメントからじつに石田氏の言及と似通っているような「ポーズ」という言及の変わりに、出てくる用語は
「テクスト」
であり、氏の区分する「様式論」では三楽章の交響曲以外は、粗筋のテクストをもったり、テクスト朗唱が根幹にもなり、時に歌詞が歌われるように、何らかテクストと関わりをもつ点に着目しており、氏が推理するには、ストラヴィンスキーが声楽家の父親の家に生まれ育ったことなどに起因しているのではと締めくくっている。

さて次回は現代音楽の評論重鎮船山隆氏の引用をそしてこれらの中で、誰も入れていないものを円海山的選定にて締めくくる予定にて候。
暫し待たれよ。
(*)当曲やエボニー協奏曲は件の廉価には選定されている。
[PR]
by dr-enkaizan | 2007-08-28 00:29 | クラシック
<< 「樹海の木々」-三大バレー以外... 受容者たる者の証-三大バレー以... >>