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六国峠@ドクター円海山の音楽診療室-無用な営みの、えも言われぬ、この上なき喜び

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マルティノンの影武者?デュトワ バッカスとアリアドネ ルーセル組曲へ調

さて鎌倉スイス先生や、庭は夏の日ざかりさんのところでまとめてコメントしたルーセルの音盤でデュトワのバッカスとトアリアドネの録音について四方山を。

 デッカにアンセルメの録音したレパートリーを意識した、ロシア・フランス近代音楽録音をモントリオール交響楽団と次々と録音していた、ヂュトワだが、なぜか?エラートにオネゲルとルーセルのレパートリーは態々デッカにレコメンデンションをとって交響曲全集+管弦楽を録音したのは、大いに不可解な音盤録音史上の謎として印象付けられている次第にて候。

 それ以前もデュトワはエラートニはLP期にストラヴィンスキーの狐他の小編成の作品の録音があったが、現在は多少忘れられた観があり、いまだ未復刻らしいようである、それらの契約の延長上にこれらが位置していたのか、それともデッカ側で難色があったのか不明なれど、オネゲルとルーセルのマーケティングについてはそれなりに冒険であるのは窺い知れるような事情が想像される次第にて候。

そしてルーセルの管弦楽はバッカスとアリアーヌの第一組曲+第二組曲に組曲へ調の組み合わせでオケも交響曲全集のフランス国立とは違う、パリ管弦楽とのコンビでだされている次第である。
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しかし評論は多少の賛辞をしながらも、一般の知名度人気としてはルーセルは今一であり、世間から一時期廃盤として消え去る不遇となる。

 要因は?人々のデュトワの神経質な個性がパリ管弦楽団でどのようにという興味に反して、あまりに立派なオードックなオケの音色であったことがあり。
 後述の興味深いパートの強調なども滅多に聞けない部分がある拘りなど細部にあるのに関わらす、全般に堂々と鳴り響く熱いオケの音色に人々が興を失ったというなんとも今にしては贅沢な理由であると想像され、20年前にこの人物の、はた迷惑な固定概念イメージいかなものだったのかを推し量ることも出来る事例にて候。

 円海山で的に思うに、多くの者達が無防備にドビュッシー・ラヴェルをこのデュトワで推し進めるが、それは非常に愚かしいことであり、むしろデュトワの解釈はフランス近代音楽の伝統に立脚するのでばない、賛辞されるべき、その異質な軽さを武器に当該楽曲の再提示を示したところがあり、デッカの望んでいた路線上でのアンセルメを彷彿とさせる明晰な要点を押えた音楽作りでという要素があったにせよ、決してそれらの相違を踏まえないような、押し当てぶりはその蒙昧の度が知れる事態になりかねないと警告したいが、これはいずれの機会詳しく仔細例を挙げて・・・むしろ借りてきた猫のように、オケ自体パワーを信じて、パリ管弦楽団を振るデュトワのこの演奏こそが、この指揮者本質を知る上では重要であり、これも是非拝聴してもらいたい次第にて候。但し彼のドビュツシー・ラヴェルより曲の難易度は補償しかねる所にて候。

 そして時はたち廉価ブームの波に乗る形でワーナーに移籍したエラートは二名組のウルティマシリースとしてバッカスがよみがえるのは今の好事の方々の記憶にあたらしい。

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 しかしここで奇妙な事態が起こる、なんと当該に二枚組のブックレッドの表記を見る限り、ジャンマルティノンのLP時期未発表で、三枚のの撰集のCD化にも漏れたと思しき、組曲へ調の音源が表われる。
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なんとも見事な出来栄えで、その交響的表現は時に熱を帯びると、おもっていたが、某掲示板でそれはマルティノンの音源ではなく、上記デュトワの音源である指摘がなされるしだいで、そのブックレッドを注意深く見ると。

一枚のディスクで演奏家変わるごとに太字でつけられる演奏家とオケ表記なのだが、当該組曲はマルティノンが二回出現しており。

これを見る限りマルティノンであるかのようだが?
右下矢印部分をご覧になると 作品番号を当該とする録音年代が書かれており。
1986年以下略となっている・・・・
要するにマルティノンの死後10年後の年代ある。

そして肝心の音はウルティマのほうが多少高音域にクセがあり、違うように見えるが、表情付けは似通っており、仔細は言及は今回は省略するが、タイムの微妙な違い、これは前述国内発売時のデュトワの録音データーを見ると、
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同じ1986

おそらくデュトワの録音と結論がつけられる可能性が強い。

さてこの辺で詮索は終わりにして。

この音盤は非常に、パリ管絃楽団の機能を信頼したデュトワのワンランク上の、ささやかな拘りがあり、マルティノンを彷彿とさせるような豪快な表現に徹している組曲へ調を含め、全般に渡り丹念きくとスリリングなものである、筆頭はバッカスの終曲のバッカナールのワルツ部分の確保部分での背景のトランベットの華やかな、三連音による音階の上下が、見事に美しく演奏されており、これは多くの名演奏での聞こえることは稀なものであり、しかしルーセルの必然を感じるものであり、この辺の聞き所を見事に押えきるあたりにも、(16.:43)
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この指揮者スコアリーディングと言う点での信頼が、氏の一般に認知されるフランス近代音楽の華やかにとか爽やかと言う、在り来たり美辞麗句よりも、重要であるポイントであることを喚起しておきたい。

さてバッカスに絡む皆様には是非。
by dr-enkaizan | 2007-06-28 00:32 | 解説のない音盤紹介
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