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六国峠@ドクター円海山の音楽診療室-無用な営みの、えも言われぬ、この上なき喜び

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ウーノ・クラミもいれてフィンランド近代-現代音楽の言及が出来そうな気もするんですが?

 ウーノ・クラミについて、これは嘗てクラッシク招き猫での「印象派」スレッドにての、北欧好きの方々と話題になり非常に楽しい思いをした話題が思い出ともなる次第。
 それは、その出現スレッドの話題に相応しかった、フィンランドでのフランス近代の印象主義と呼称され括られた音楽形態をとった作曲家である。
 さて鎌倉スイス先生の作曲家の耳を持ってしてのNMLを巡っての、フィンランド音楽の現代に至る作曲家をご紹介なさっているが、実のところアホラウタヴァーラときて、円海山的独善では?両者のうち後者が礼賛もするゆえに、芋蔓式にこの御仁と言う図式を期待していたが、フランス近代音楽の影響下としてもれたのかここにきて蔓が切れてしまった(笑)次第、これにはある意味語法的作曲家の耳で聞くとオリジナリティーという点より、フィンランド外の音楽文化の受容の一端としての評価が先行されるゆえの割愛か。・・・・それとも多忙のなせる業かという、通りすがり問答よりたちの悪い、意地悪な問答(笑)はこれまでにしても、書法は後述の理由によりフランス近代音楽でのモーリス・ラヴェルや、同時代パリを生きたイーゴル・ストラヴィンスキーの影響を真っ向から受け、もはやそのフォーマルな要素は別に素材での模倣ネタがわかる位の状態もある初期の楽曲もある次第な作風をもちラウタヴァーラにアホ周辺のフィンランドの折衷的な作風の者達にすくなからん方向性を与えているとも愚考さるる次第にて候。

 1900年フィンランドの海岸沿いののVirolahti生まれ、貧しい家庭から 作曲家になる強い意志をもってヘルシンキ大学を経済上の理由で幾分の休止をあれど学び、1920年代にパリへわたり、当時の中堅になりつつある、幾分後ろ向きになりつつあったフランスの作曲家のフローランシュミッドにモーリス・ラヴェルに学んで、1924年に成果ありとしてヘルシンキに戻り、パリのでの書法で自ら敬愛する祖国の伝承題材の民俗詩である「カレワラ」を先陣のシベリウスらと違う色彩で描くこと試みた、1928年カレワラ狂詩曲を発表、そして再びウィーンに留学(1929迄)などして自らの作曲技法を確立してった次第にて候。

 先に述べたとおり、クラミの作風の要因は、フランスのメソードにつくことなく、関係者に師事したゆえの、それを理想とするラヴェルにストラヴィンスキーそしてファリヤあたりに、近代書法の色彩的使用要領とする、フォーマルな模倣あたりから創作の出発を始めた節があり。

 例えば、かれが敬愛する「海」を題材として、スペインへの憧れまでを想起した、組曲「海の絵」では、そのスペインを想起させる素材として、この作品がかかれる前に著明になったラヴェルの「ボレロ」(一曲目後半および終曲)の断層的コラージュだったり、ホタ舞曲やその和声の変格旋法的な使用が、ファリャの「三角帽子」を思わせる次第であり(二曲目)、その辺では書法的追求と興味が、世評の熟知を上回ったベタな引用だったのかとも邪推されるところもあり、実際ナクソスの当曲のボレロの引用をキワモノ的にあつかった国内コピーが帯で売りに出されていた次第でもある。

 しかしながら二度目の同一題材の使用による「カレワラ組曲」での、フィンランド流の天地創造から伝説がフレスコ画のような色彩的繰り広げられる音楽は紛れもなくフランスの音楽語法をストラヴィンスキーの春の祭典ばりの原始的衝撃までを網羅し、フィンランドのシベリウスの音楽の後の世界として円満につなげたことを確認できる次第であり、決して軽んじはできないフィンランドの近代音楽史の地位を担う人物であるのはいうまでもなしにて候。

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8.553757 クラミ:カレヴァラ組曲/海の絵
KLAMI: Kalevala Suite / Sea Pictures

 1935年には詩篇でそのカトリック信仰的な素養で描き、そして50年代にはィンランドでのアカデミーの代表に先行もされ重鎮ともなり、1957-60年のバレー「回転」未完成で、後輩的なアホが近年補筆完成している次第である。

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BIS-CD-696 クラミ/アホ編:バレエ音楽「回転」/クラミ:ヴァイオリン協奏曲
KLAMI / AHO: Pyorteita / KLAMI: Violin Concerto
さて皆様はどのようにお考えか?あの程度で書籍に出来るという(笑)驚くべき事例が大祝福される事例たる。「知られざる佳曲」よりも深き領域行きそうな北欧の音楽巡礼へのお誘いはこの辺で・・。
by dr-enkaizan | 2007-04-29 11:23 | 解説のない音盤紹介
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