じつに英国近代音楽でのウイリアム・ウォルトンの登場は異質に捕らえられがちであるが、この作曲家の先輩にて敬愛をしてその作品に助力、そして財力の支援を受ける恩も蒙り、自らの代表作も献呈(*)すらした
L. バーナース (1883-1950)(Lord Berners)の存在を知ることで初めて、RVWやホルストそしてロマン派でのエルガーらと、同時代の六人組にストラヴィンスキー・サティーらのフランス近代の初めての接点を垣間見るのは明白にて候。
(*)オラトリオ「ペルジャザールの宴」
外交官としてあるいは各種研鑽とドレスデン、ウィーン、フランス、およびイタリアに赴き、そのうち本国で音楽をメイン過ごし始めるが、その音楽は同時代にストラヴィンスキーや六人組の新古典主義とモダニズムの影響を受けた音楽を輩出しはじめる、このバレー「ネプチューンの凱旋」は彼の軽妙でモダンな側面をしるにはうってつけの音楽であり、やはりこれもマルコポーロでNMLにある始末にあり、この際紹介する次第にて候。
8.223711 バーナース:ネプチューンの凱旋
Lord Berners: The Triumph of Neptune
BERNERS: Triumph of Neptune / L'uomo dai baf
そのオーケストレーションは多少ウォルトンやタウンズの助力があったが、その旋律の豊かさを軽妙さそしてサティーやフランスの六人組を彷彿する洒落っ気にときに諧謔的要素そして、新古典主義のストラヴィンスキーの影響も垣間見られるも、決して様式的主義に当てはまらない大胆なところもさらに垣間見られ、非常にキャッチィーな第一印象すらもてる魅力的音楽が提示されてゆく次第にて候。
それは最初の前奏曲でのジーグのような跳ねるリズムの上に、にあったクラリネットの教会旋法といよりイギリスの古謡風メロディが歌われ、それが楽しげに器楽を渡り歩いてゆくあたりか 聞き手を虜にさせるものであり、それはウォルトンの先駆もしくは相互共感を感じさせる、共通の空気を感じもさせる。
され一歩進んでで言うと、とおからんあたりでは・・・ショスタコービッチの初期の明るい小川に黄金時代そしてボルトなどのバレー音楽の小品にて、いずれかは「番号付きでバレー組曲」として纏めらルルものなどとも親近があり、さらに、近代的モダンなカンタービレはイタリアのカッゼラとも一脈通じる。
それはフランス音楽の影響はあるが、メロディは時に滑稽ときにメランコリーにしかし、なにか覚醒している感じはサティーの音楽との共通もあり、そのレスピーギすら彷彿させる色彩の近代的なオケの表現はフランス六人組でのオーリックやプーランクのそれでもあり、その幅広い音楽への造形とそれに基く折衷と中庸の心地さは各別な次第各位ご拝聴確認されたし次第にて御座候。
演奏は中庸であり
EMIさらにLP時代から親しまれた良いものがあるのだか・・・ロイドジョーンスに辛うじて付いてきてるオケは、まあ善しとしたし。