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六国峠@ドクター円海山の音楽診療室-無用な営みの、えも言われぬ、この上なき喜び

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続一人レスピーギの和声に対する雑感

さててつわんこさんが、持てる語学と海外文化の知識にてドビュッシーの前奏曲集第一巻を、ブログにてトピックしてゆく件誠に興味深い次第でにて候。


ドビュッシー:前奏曲集第1集から第1曲「デルフィの舞姫」"Danseuses de Delphes"

ドビュッシー:前奏曲集第1集から第2曲「帆」" Voiles "

ドビュッシー:前奏曲集第1集から第3曲「野を渡る風」 "Le vent dans la plaine"を文学的に聴いてみる

 さて最近思うレスピーギのローマの松でのジャニコロの松での和声にて、その前奏曲集の第八曲の亜麻色の髪の乙女との類似も感じられ、当曲のドビュッシーイズムのレスピーギの傾倒および語法の吸収具合がわかる面白い瞬間であるゆえに、再度継続雑感を述べてみたい次第にて候。

 前回レスピーギの四度累積の和音組織を、巧みな扱いにて使用にいたらしめる点、言及したとうりだが。

そのあとの数回繰り返されるクラリネットのメロディーとの関係が非常に、興味深い事をおこなっている。
レスピーギのジャニコロの当該部分はピアノのカデンツアのアルペジオに続いて、継続する前述の和音の上をクラリネットがペンタトニック的要素のある牧歌的なメロディー朗々と演される次第。小澤盤冒頭から00:30
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 このとき、このクラリネットのメロディーは数回類似の形で、そして幾つかの器楽によって引き継がれ反復され、それらに答えるエピソードが挟まれ、中間で別の歌唱が始まるまでそれはつづく、そして展開され再び、クラリネットで再現され、有名なレコードプレーヤーの鳥の声件を経て、ハープのハーモニクスにて回想されて、弦楽の終止にいたる。

 上記殴り書きの譜面は、今回話題にしたい、その最初の部分の件のパーティセルに起こしてみた、妄想スケッチである、
ここで一度目のクラリネットの背景はメロディーからも、ここ記されている#五つの調号から解るようにロ長調の主和音(トニック:T)B69の和音にてなされており、前回のトピックに言及あるユニークでかつ広がりあるこの曲の特徴を決定付けるものである。

 そして舞台照明交代のようにその弦楽がミクソルディア的な節でオルガヌムの拡大解釈の背景和音の並行進行で、レスポンスのような歌が出現して、最後の部分の節の音により導きられた緊張ある和音C#m69からこの調性の下属和音(五度下サブトミナント)のE69へ一端落ち着く。小澤盤0:51-0:57
 さらにそして、注目すべきはこの上に最初に主和音上で歌われた節がそのまま最初の楽句にてはいり、次の音程跳躍で二音だけ構成音を変えてカンタービレになり、再び節を戻してゆく箇所があり、そのあたとは弦楽が揺れ動いて、さらに背景照明が変化するような感慨の上に三度目のメロディーが歌われていゆき先へ続くといったものであるが。小澤盤00:59

ここでの、二度目のメロディーの前後の拡大したオルガヌムとサブトミナント上での固定フレーズのメロディの扱いは、ドビュッシーの亜麻色の髪の乙女の後半の、オルガヌム調の和声での主旋律の変奏のあとのサブトミナトの擬終止的な引き伸ばしの上に、高音で主旋律が回帰するところと非常に道具立てが酷似している点にある。

 その後のジャニコロでは対比音や二度を含む未解決な属和音の並行進行など、一般的なドビュッシーの和声語法のオンパレードなところもあるが、当該箇所でのオルガヌムと解決、メロディーの和音での乖離での、フォーマルな借用は、レスピーギのドビュッシー語法の慎重な研究を匂わせる次第にて候。

それは丁度鎌倉スイス先生のおこなったこれのようなものと推定される。
亜麻色の髪の乙女の主観的分析

 無論下属和音に合わせた二音の変化などそれらを匂わせないような配慮もあり、当作品が、レスピーギの印象主義とフランスで呼称された音楽の研究成果であったことをひたすら感じる次第にて候。

さて亜麻色の髪の乙女を聞きジャニコロの松思うのか、あるいはその逆か。
二つをご拝聴推奨。

 作りを時にいつくしむ時、レスピーギの仕事は下らないとはいえないのだが、・・・・世間のクラジャーナリズムにては見下し膨大な難解な未見なる情報を提示して、カルト的観点をありがたがる風潮は、余りに虚しく、短くも感覚に訴える仕組みに愚鈍なりや。
と言ってもこの妄想もカルトかもしれないが・・決して誇張ではなく、ご拝見の皆様の手元にあるものの「形」で御座候。

ここらあるなら時間をもって音楽ゆえあっての音体感すべし。
さて次回イタリアの近代音楽とファシズムの続きにからめて・・・。



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by dr-enkaizan | 2007-03-20 00:50 | クラシック
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