疲れた・・・
内容が濃い授業にて候
バルトークは分析の対象としてよく観察させてもらいました。
件の体系は一般には「エルネレンドヴェイ」の観察し名づけた「中心軸システム」ですね。対極関係の調及び構成音を協和の音程の許容としてみとめる、ことにより12音をT-D-SDの機能として四つの主音をグルーピングするやつですね。
バルトークの作曲技法
エルネ・レンドヴァイ 谷本 一之 / 全音楽譜出版社
ISBN : 4118000806
に追従し私見を交えると・・・。
それにより五度円上の対極ある関係の音を同時に使用可能になり、多12音を義的な概念で調性壊すことなく使用して、新たなる旋律と響きを機能的に模索できる意義を生じさせたもの。
T:c・es・fis・a
D:g・e・b・cis
SD:f・as・b・d
バルトークの弦チェレの第三楽章でのcとfisが同時に、上下関係を対斜交代(*)して延々ペダル音でならされたり、ハーリヤーノシュでも新兵の募集の場面でのドミナントGに対極のDes7のバスがついたりしてますね。
(*)和声上不明瞭なもので、余り好ましくない進行だか、音程の曖昧さとその曲の不安の欲求ゆえに此処では効果的、暫し効果として以前の作家の使用はしていた。
ストラヴィンスキーのペトルーシュカやドビュッシーの前奏曲集第二巻で顕著になる「霧」「月の光が降り注ぐテラス」での対極和音の複合や短時間での交代あたりが先例なれど。
バルトークとゴダーイのそれは機能和声の拡張において、それらを組み入れたもの(注)。
(注)過渡期があり、初期のバルトークの三つのブルレスクの「ほろよい加減」での使用はドビュッシーよりの対極和音がアポワジュルな装飾でミョミョとならされるあたりに迷いが見える。
その実後に管弦楽にして生活の足しに作った自作のアソートな組曲ともいえる、「ハンガリアン・スケッチ」に組み入れていることからバルトークとしては気に入っていたことが伺える。
バルトーク:3つのブルレスク
コチシュ(ゾルタン) バルトーク / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00005FG37
バルトーク:ディヴェルティメント
ブーレーズ(ピエール) シカゴ交響楽団 バルトーク / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00006HB8L
ハンガリアンスケッチ含む
あと和声進行にもこれが生かされG7-~CのC-Eへ解決されるべきF-BをFISとBIsの(F#の構成音)へのでんぐり返るような節をつくりあげてますね。これはブルックナーの交響曲八番のフィナーレの第一主題の提示部などもF#からCへ落ち着く広義「中心軸」の使用例として分析もできたりしますし。それとメシアンのMTL-2もその対極関係を容認(*)しうる旋法として成り立つわけで、移調があれは四回で同じ旋法フォームになってしまうというのが、機能割あてによる四つの五度円上の対極点と一致するわけですね。バルトークではミクロコスモスのバリ島にてや弦チェレのES-A(mol)-fis-A(mol)の第二楽章の後半の三拍子になるリフレーンあたりに現れますね。なんかそんな授業のきける生徒さんが羨ましい限りにてそうろう。後に追記して凡例追加予定アリ。
バルトーク : 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 / 中国の不思議な役人
ブーレーズ(ピエール) シカゴ交響楽団 シカゴ交響合唱団 バルトーク / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00006HB8J
(*)Tを一例に中心軸を主音とする和音C-Es-Fis-Aの長調和音の構成音を並べると意味が分かるかも?音名ドイツ表記いい加減ですいません。これの関係で機能別にこの音程関係の節を用意しているゆえに、バルトークのメロディーには、和音上で緊張度の高かったり半音がデングりかえる物が多い。ジャズではハービーハンコックあたりのコンビニッシュ・デュミニエンドという俗称で呼ばれているのも同じだがそれは後ほど。
(コードで考えても同じ)